移植後の男性患者さんへ

この記事は、順天堂大学大学院医学研究科 泌尿器外科学 教授の堀江重郎先生に寄稿していただきました。

骨髄移植後に豊かな性生活へ

性生活は人生を豊かにする重要なファクターです

しかし、骨髄移植後の男性では性生活がうまくいかない、あるいは異性への興味もなくなってしまうこともあります。
海外の調査では、骨髄移植後には次のような問題が起こることが知られています。
(Bone Marrow Transplant. 2016 Jun;51(6):833-40.)

1.勃起しにくい、勃起を維持できない (40~50%)
2.性欲がない (60%)
3.射精しにくい (20%)
4.性交渉がうまくできるか不安(50%)
5.快感(オーガズム)に達しない (30%)
6.性交中に痛みを感じる (20%)
7.亀頭が露出しない(20%)
8.陰茎の包皮が出血したり痛んだりする(10%)

原因としては、全身照射による男性ホルモン(テストステロン)の減少、抗がん剤治療による陰茎海綿体の萎縮、皮膚が弱くなることなどの原因が考えられます。

また男性ホルモンの減少は以下の症状を起こすことがあります。
1.二次性徴(声変わり、ひげ、体毛、恥毛の出現、陰茎長の増大、筋肉量の増加)の欠如
2.疲労、不安、うつ症状、パニック症候群
3.異性に興味がない、精巣が小さい、性欲を感じない

治療としては、勃起補助薬(PDE5阻害薬)、テストステロン補充療法、HCG補充療法などがあります 泌尿器科医はすべての男性の健康をケアしています。
ぜひ恥ずかしがらずにご相談ください。

【追記】
堀江先生は、男性の移植患者さんからの相談(Zoom使用)を受けてくださっています。対応は平日のみになりますが、下記URLよりお問い合わせください。
https://juntendo-urology.jp/contact/