移植治療について

「かながわ血液がんフォーラム2019」をレポート3 

■■一人ひとりが当事者となり血液がんを考える。■■

闘病に有効な情報とつながりを提供する「展示ブース」も盛況

展示スペースには企業・団体などのブースが並びました。企業ブースは、医療用無菌装置メーカーの株式会社コスモアンドトレードサービス、ヘルスケア分野の市場調査などを行う株式会社インテージヘルスケアが出展。他に、神奈川県赤十字血液センターは献血啓発に力を入れ、献血者へ届ける輸血経験者の感謝のメッセージを募集。当フォーラムを共催する神奈川県は、がん検診の啓発、骨髄ドナー支援事業、妊孕性温存治療費の助成制度など、県の取り組みをPR。また、血液がんの患者会が複数出展し、患者さんとそのご家族の情報収集や患者同士の交流をサポートしました。

クリーンルーム(無菌室)の模型を展示した株式会社コスモトレードアンドサービス
アロマオイルでのケアも提供したリボンズケアumi(うみ)と仲間たち

閉会式では血液がんの「総合的支援」の必要性を再確認

すべてのプログラムを締めくくるクロージングでは、司会の町永俊雄さんがこのフォーラムの運営について言及しました。「造血幹細胞移植を総合的に支援するプロジェクトStart to Beは、血液がん患者とその家族、ドナー、サポーター、ボランティア、医療者を含め移植医療に関わる『当事者』を巻き込みながら進めていく新しい取り組みです。これまでは医療者は医療者側から、ドナーはドナー側から発信し関係が分断されていました。その状況を統合し総合的な支援を実現したのは大きな変化と言えます」とコメントしました。

続いて3 名が登壇。濱卓至さん(神奈川県健康医療局 保健医療部 がん・疾病対策課 課長)は、血液がんに関する県の取り組みを紹介。「昨年度、神奈川県はCNJと協働して、骨髄バンクのドナー登録者と血液疾患がん患者およびその家族を支援するWEBサイトStart to Beを開設しました。他に神奈川県骨髄移植を考える会と共に大学などで骨髄ドナー登録会を実施、骨髄ドナー登録説明員の養成講座の開催、骨髄バンク普及啓発事業などの取り組みにより県内のドナー登録者は増加傾向にあります。県における新しい事業としと、ドナー登録をしても提供に至らないケースを踏まえ、ドナーの心理的、経済的負担を軽減するため、ドナーとドナーご本人が勤務する事業所に助成を行う骨髄ドナー支援事業を開始。最終的には県内の全市町村での実施を目指しています。さらに、平成30 年の8 月より妊孕性温存治療費の補助に取り組んでいます」

神奈川県 健康医療局 保健医療部 がん・疾病対策課 課長 濵 卓至 さん

次に、天野慎介さん(一般社団法人グループ・ネクサス・ジャパン理事長)が、骨髄バンクの維持・発展について熱弁。「1991 年、たくさんの血液がん患者の声により骨髄バンク事業を主体とする骨髄移植推進財団が設立。当時、厚生労働省に要望に行った際、『まったく健康な人の体を傷つける治療を国民が許すのか』と言われました。骨髄バンクの維持・発展を考えるにあたり、その存在が当たり前ではなく、困難な道のうえに成り立っていることを想起する必要がある」と述べました。

一般社団法人 グループ・ネクサス・ジャパン 理事長 天野 慎介 さん

最後は金森平和先生。「Start to BeのWEBサイトは血液がん患者、ドナー、患者家族にとって有用な情報が総合的に掲載されています。また、本日のように複数の患者会が総合的に運営に携わるフォーラムは初体験。骨髄移植の課題が患者、ドナー、家族だけの議論で終わらないよう総合的に支える社会を作っていくべき」と結びました。

当ウェブサイトの医療監修も務める金森 平和 先生

司会の町永さんは、「一人ひとりができることを持ち寄り、自分事として一歩を進めてほしい」とコメントし盛大な拍手と共に閉会しました。

元NHKアナウンサー・福祉ジャーナリスト 町永 俊雄 さん

今回の「かながわ血液がんフォーラム2019」は共催団体のスタッフ13 名、ボランティアスタッフ25 名の総勢38 名の協力のもと無事に開催することができました。また、ご登壇いただいた先生方は28 名でした。多くの方々の支えにより開催できましたことをこの場を借りてお礼申し上げます。

朝早くから準備・運営をしたボランティアとスタッフ