移植治療について

知っておきたいがんの基礎知識

私たち、ヒトの体は、約37兆個の「細胞」からできています。 「細胞」の1つ1つの中には、「核」が入っており、その「核」の中には、46本の「染色体」が存在しています。1つ1つの「染色体」をほどいていくと、らせんの構造をした「DNA」が現れます。この「DNA」のうち、遺伝情報をもっている一部の領域のことを「遺伝子」といいます。

私たちの体の中では毎日、細胞の設計図である「遺伝子」の情報をもとに「細胞」が絶えず分裂して新しく生まれ変わっています。しかし、様々な要因によって「コピーミス」が起こることがあります。この「コピーミス」が「がん」の始まりですが、健康な人でも1日約5,000個のコピーミスが起こっているといわれており、「コピーミス」を起こしたからといって、すぐに「がん」になるわけではありません。「コピーミス」を起こした細胞のほとんどは体に備わる修復機構や免疫の働きによって排除されます。排除されずに生き残った細胞がいわゆる「がん細胞」となります。「がん細胞」は異常な分裂・増殖をくり返し、10~20年かけて検査でも分かるほどの大きさになります。

現在のところ、がんになる原因は「たばこ」や「飲酒」、「食事」などの生活習慣に関係することが一部のがんの種類(がん種)で分かってきており、禁煙や食生活の見直し、運動不足の解消などによって、ある程度予防することが出来ますが、どんなに気を付けていたとしても、完全にならないようにすることはできません。

現在、日本人の2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで亡くなるといわれており、がんは日本人にとって「国民病」といっても過言ではない状況となっています。がんは、私たちの体の臓器や組織など、どこにでもできる可能性があるもので、「固形がん」と「血液のがん」の大きく2つに分けられます。「血液のがん」については、後の項目にて詳しく述べますが、「固形がん」は更に「上皮細胞がん」と「非上皮細胞がん」の2つに分けられます。「上皮細胞がん」は具体的には、大腸がん、胃がん、乳がん、肺がんなど、上皮細胞にできる固形のいわゆる「癌」、「非上皮細胞がん」は骨肉腫、軟骨肉腫、横紋筋肉腫など筋肉や骨といった非上皮性細胞にできるいわゆる「肉腫」です。それぞれ、がん種によって特徴や治療方針なども異なります。また、治療技術の進歩などにより、「がん」になったからといって「=死」ではなくなってきました。「がん」と上手に付き合いながら生活していくために、個々の状況で治療法を変えていくこともあります。主治医(担当医)とよく話をしながら、納得のいく治療を選択することがとても大切です。