インタビュー

完治を目指して小児の治療を

2021年2月22日
池谷 有紗 さん
疾患名: 急性リンパ性白血病 年齢 29歳 罹患時年齢 21歳

ドナーさんがいなかったら、死んでいたかもしれない。骨髄移植は、天に浮かんでいく私の手を、顔も名前も知らない運命の人(ドナーさん)が私の手を取って、家族や友人がいるこの地上に戻してくれたような経験でした。

 

小児プロトコールの治療を受けることに

病気が発覚した時には既に症状が進行しており「完治を目指すなら骨髄移植しかない」と告げられました。また、より強い治療を受けた方が良いとの主治医の薦めで、当時21歳だったこともあり、小児プロトコールの治療を受けました。

母は毎日病室に来てくれました。仕事で疲れている父も休日は必ず会いに来てくれました。友人、後輩、先輩、たくさんの方々も私が少しでも元気が出るように幸せな気持ちになれるように気遣ってくれました。

当時は節目毎にSNSで状況をシェアしていたので、直接会えなくても、インターネットを通じてSNSやメールなどで多くの方々に励ましのパワーを頂いていました。
私があの辛かった日々を乗り越えられたのは間違いなく、家族、周りの方々がいたから。今でも心から感謝しています。

闘病の経験を経て学んだ多くのことはキャンサーギフト

病気になる前には気づけなかった小さな幸せが、生活の中にたくさん隠れていたことを感じました。数ヶ月に一回の外出日に食べたご飯の味や家に帰れた時の喜び、夕日が綺麗だったり、気持ちいい風にあたれるだけで心が満たされる感覚、自分にたくさんの愛を与えてくれる家族や友達がいてくれる事ことへの感謝や幸せ。

退院後、ドナーさんへ感謝の手紙を送りました。ドナーさんからも想いのこもったお返事を頂きました。それは生涯の宝物です。今でもドナーさんの血が私の身体を巡っていて、それゆえに私は今生きているんだ!と、感じることがあります。全力で生きたい!という感謝の気持ちで胸がいっぱいになります。

退院してからも「入院中、あれ程の痛みに耐えられたんだから、こんな事でくたばっている場合じゃない!」などと思うことがありました。一筋縄ではいかないことも多くて、そういう時はどん底まで一旦落ちてから、後は登るだけ。「また頑張ろう!」と歩み始める。今は3歩進んで2歩下がる、みたいなペースで頑張っています。それも恐らく、闘病の経験を通して、「無理せず頑張ることが大事」という教訓を得たからだと思います。

読者の皆さんへのメッセージ

ドナー登録をしてくださっている、又は、ご検討されている方に対して、いつも頭が下がる思いでいます。私自身、ドナー候補者の数が多いと聞けただけでも完治への希望が広がり、治療への意欲が高まりました。私は元患者故に、ドナー登録が出来ず大変歯痒いのですが、もしご検討されている方がいたら、そんなことも頭の片隅にいれていただけたら有り難いです。

入院中を含め、これまでも病気を患ったことによってたくさんの辛いことや悔しいことがありました。しかし、そのネガティブな状況に心が負けてしまうことが何より悔しかったので、その度に「これは未来に起こる幸せな出来事へのポイント稼ぎ!負けてたまるか!」と奮起させていました。そうやってマインドを少し変えてみるだけで、状況が自然と良くなったり、気持ちが楽になったりして乗り越えられた事が多々ありました。ただ、いつもポジティブでいることは難しい。そんな時は無理せずに、涙を流したり、誰かに話したり、ノートに気持ちを書き溜めたりと、自分の心を素直に解放してあげることも、前に進んでいく上で大事だと実感しました。辛い時間は永遠には続かない、必ずまた光が見えてきます。治療を頑張っているみなさまが1日でも早く、回復され元気になることを、心より願っています。