がん患者とパートナーのセクシュアリティ支援

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みなさん、こんにちは。2021年度になりましたね。新しい生活が始まる方も多いのではないでしょうか。お引越しなどがある方は、バタバタとしている時期かもしれませんね。

ウェブサイトをリニューアルして初めて書かせていただきます。今日は、私が担当しているがん患者とパートナーのためのセクシュアリティ支援事業からの新しいお知らせをさせて頂ければと思います。

LINEスタンプ:動く♪がん治療とコミュニケーション

LINEスタンプ

最近の子どもたちへの性教育は進み、「人権としての性」について考えられるようになってきていますが、今のがん患者・パートナーの多くは感染のリスクも加わり、「性」をポジティブなものとはとらえにくく、タブー視しがちです。信頼し合えるカップル・夫婦であっても「性」についてオープンに話せているのは一部ではないでしょうか。更に、がん治療というライフイベントが加わると、相手を気遣うあまりに、余計に言葉に出来ずにいるケースがあるかもしれません。

パートナーとのコミュニケーションが深まることによって、お互いの悩みや苦痛、誤解などを軽減できたり、改善できたり、お互いの人生がより豊かになることは多くあります。とはいえ、面と向かっては言葉にしにくいことが多くあり、簡単には克服できないことも。ちょっとした工夫でサポートできたら…。そのような思いで、CNJキャラクターのキャンとウィルが誕生し、この度、LINEスタンプとしてリリースしました。

パートナーとのコミュニケーションに使いやすい24の動くスタンプです。かわいらしい動きと、LINEでのコミュニケーションに使う事で、お互いにほっこりとするようなテイストになっています。パートナーの有無にも限らず、がん治療中や具合の悪い時などでも使いやすいスタンプです。是非、多くの患者さんやパートナーのみなさまにご活用いただけると幸いです。

がんのセクシュアリティに関する無料相談アプリ

がんやがん治療によるセクシュアリティの影響は様々なものがあります。たとえば、男性の性機能への影響としては、性欲の低下、勃起障害、射精障害、ひいては将来も含めた妊孕性への影響などがあげられます。女性の性機能へ与える影響としては、性欲の低下、性交痛、オルガズムを感じない・感じにくいなどがあげられます。また、性機能に限らず、治療による脱毛、るい痩、むくみ、慢性GVHDによる皮膚障害…といったボディイメージの変化、抗がん剤等による体力・性欲の低下、易感染状態など身体・精神的に与える影響は多岐にわたります。

血液がんを治療しながら・あるいは克服しても社会生活を送れるようになってきているものの、セクシュアリティ支援は積極的にされてきていない背景もあり、「がんなのだから仕方がない」と問題ともとらえていなかったり、「がんになって、セクシュアリティのニーズなんて贅沢だ」とあきらめてしまっていたり、パートナーにさえ話しにくいのに、他の人に相談はしにくいと思っていたり、と潜在的に問題を抱えている人たちの声は多く聞かれています。

この度、ウェブサイト「がんと生活のこと」内の「がんと性」を監修する専門家を中心に、がん患者・パートナーのセクシュアリティ相談にチャット形式で対応するアプリを公開しました。

キャンサーネットジャパン(CNJ)のアプリとしてはどなたでもご利用いただけますが、相談ルームを使用できるのは、がん患者とパートナーに限り、匿名性を保った状態で相談できる仕組みになっています。登録が少し複雑なのですが、その分、個人情報はしっかりと保護されています。長期化しやすい血液がんの治療記録としても使える機能があります。また、今後徐々に使いやすい形になっていきますので、是非、試してみてください。