臍帯血を提供するには

さい帯血移植とは

はじめに

妊娠中、胎児にさまざまな栄養や酸素を供給するために、胎児と母親を結んでいるのがさい帯(へその緒)で、出産後さい帯が切断されると、胎盤とさい帯も子宮から切り離され、その役目を終えることになります。分娩後の胎盤とさい帯に残った血液を「さい帯血」と言います。

1982年さい帯血中に幼若で増殖能力に富む造血幹細胞が存在することが発見されました。

1994年日本で初の血縁者間の、1997年非血縁者間のさい帯血移植が実施されました。1999年には日本さい帯血バンクネットワークが発足し、さい帯血移植は飛躍的に増加、

2012年以降、年間1,100件を超えるさい帯血移植が実施されており、世界中で実施されたさい帯血移植の1/3が日本でおこなわれるまでになりました。

さい帯血移植とは

さい帯血の提供に同意した妊産婦がドナーとなり、分娩後にさい帯血を採取、さい帯血中に含まれる造血幹細胞を移植する方法です。

血液の病気などにより血液を正常に造れなくなった患者さんに、さい帯血を移植することによって、患者さんの血液を造る力を回復させることができます。

ドナーへの負担がなく、HLA型の適合範囲が広くなるほか、凍結された細胞のため、必要な時に提供・移植が可能であるというメリットがあります(骨髄バンクドナーからの移植の場合は提供までには4カ月弱かかります)。その他、慢性GVHDが起こりにくいともいわれています。

採取できる細胞数が限られているため、移植が可能な患者さんは小児や体重が軽い成人が中心でしたが、近年では、十分な細胞数が保存されるようになり、体重の重い成人にも移植ができるようになってきました。しかし、骨髄移植に比べると生着が遅く、生着不全が多いという欠点もあります。

さい帯血を提供する

さい帯血移植という患者さんの治療のために使われるさい帯血は、出産されるお母さんのご協力による「提供」があって初めて成り立つ医療です。

「提供」にあたって、赤ちゃんはもちろんお母さんにも全く危険はありません。

さい帯血移植に使うさい帯血は、出産時に「公的さい帯血バンク」を通じて無償で提供していただくものになります。移植に用いるさい帯血は、健康な母子から採取され、厳しい基準のもとに保存されたものでなくてはなりません。

そこで、さい帯血バンクでは、提供を受け付ける施設や問診票での確認など、さい帯血の提供にはいくつかの条件があります。

詳しいことは厚生労働省のガイドライン(厚生労働省)(PDF)に示されています。

公的さい帯血バンクに提供いただいたさい帯血は、本人や家族が使用することはできません。

その他、詳しい内容は赤ちゃんを出産予定のお母さんへ(さい帯血関連情報)(厚生労働省)でご確認ください。

神奈川県内で「さい帯血提供」が可能な病院

昭和大学藤が丘病院神奈川県横浜市青葉区藤が丘1-30045-971-1151
横浜市立大学
市民総合医療センター
神奈川県横浜市南区浦舟町4-57045-261-5656
横浜南共済病院神奈川県横浜市金沢区六浦東1-21-1045-782-2101
済生会横浜市南部病院神奈川県横浜市港南区港南台3-2-10045-832-1111
伊勢原協同病院神奈川県伊勢原市桜台2-17-10463-94-2111
湘南藤沢徳洲会病院神奈川県藤沢市辻堂神台1-5-10466-35-1177
海老名総合病院神奈川県海老名市河原口1320046-233-1311
やはたウィメンズクリニック神奈川県伊勢原市東大竹1539-10463-98-1103
湘南鵠沼産婦人科神奈川県藤沢市鵠沼藤が谷1-7-100466-55-0070

詳しくはこちら(日本赤十字社 関東甲信越ブロック血液センターのホームページ)をご確認ください。